⇒投資信託の信託報酬とは?
⇒信託報酬の内訳と名目
⇒信託報酬はいつ支払うのか?
⇒信託報酬も比較して証券会社を決定する
投資信託の信託報酬とは、ファンドの運用を行う運用会社の運用報酬や、投資信託の販売会社の代行手数料、そして信託銀行の管理報酬として信託財産(運用資産)から差し引かれる手数料のことです。
投資信託は企業型401k、個人型401kともにポートフォリオを形成する元本補償型の定期貯金と合わせて年金資産運用の主力となる商品です。
投資信託は、証券会社や信託銀行にとっては顧客の財産で運用を行い、かつ顧客から販売手数料などの報酬を得られることから企業が負うリスクが低く、利益率の高い販売商品であることは事実です。
その為、どの販売会社も投資信託を主力商品として積極的に販売戦略をしかけております。
運用会社や証券会社、信託銀行は運用に成功、または仮に失敗しても一定の報酬が入る事が確定しており、リスクは全て顧客だけが背負います。
ですから投資信託という商品の性質を理解した上で資産運用を行うことが大切です。
顧客の運用資産から差し引かれる信託報酬の内訳は運用会社、販売会社、信託銀行の3社それぞれに支払われます。
この3社が受け取る信託報酬の比率は各企業ごと、そして投資信託の商品ごとによっても異なる為、全て平等に分配されている訳ではありません。
尚、各会社の信託報酬の名目は以下のようになっております。
【信託報酬の内訳と名目】 | |
---|---|
①運用会社 | 運用報酬 |
②販売会社 | 代行手数料 |
③信託銀行 | 管理報酬 |
投資信託をこれから購入しようと検討している方の場合は信託報酬をいつ支払うのかについて疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
この信託報酬の支払いは、投資信託を購入した時点で毎日、信託財産から差し引かれていく事になっております。
投資信託の価格は毎日変更し、その時点における基準価額が公開されます。
尚、信託報酬は、この基準価額が公開された時点で既に信託財産から差し引かれている事になります。
投資信託を始める際は、個別の商品ばかりに目が行きますが、各証券会社の信託報酬率についても把握した上で運用会社を選択することが大切です。
投資信託としては、ほぼ同じ内容のインデックスファンドであったとしても信託報酬率が異なれば最終的に残る信託財産は当然異なります。
極端な例ですが投資信託の運用で僅かにプラスの成果をあげた年度でも、信託報酬が高額であれば元本割れを起こす可能性もあるのです。
信託報酬は世界的には毎年少しずつ低下している流れが見て取れます。
しかし、日本では数年前と比較するとインデックスファンドやETFなどの信託報酬は徐々に安くなってきているものの、国内株式を対象としたファンドは世界の流れに逆らって信託報酬が年々高騰してきている点も覚えておきたいポイントです。
NISAの導入によって信託報酬についても価格競争が少しずつ発生しております。
NISAだけでなく個人の投資環境が大きく変貌しつつある今後は信託報酬の推移も確認しておきたいポイントのひとつと言えそうです。