ファンドマネージャーとは？高額年収の訳【投資ぶっく】

◆ファンドマネージャーとは？高額年収の訳

ファンドマネージャーとは、投資信託の運用を行う専門家の事です。

日本では、一般的に証券会社や投資信託会社、投資顧問会社などに属し、不特定多数の投資家から預かっている資金を「投資信託」などの運用商品を用いて運用し運用益をあげる職に該当します。

ファンドマネージャーは、主に投資方針や投資計画、更に具体的な目標数値(運用利回り)を設定し、その目標を達成する為のポートフォリオを形成し投資信託商品として販売します。

日本の企業に勤めるファンドマネージャーは担当ごとにポートフォリオを形成しますが、ファンドマネージャーは本来、市場のインデックスファンドのベンチマークを超える運用利回りを目指し運用を行います。

運用成績は、ファンドマネージャーの実力によって変化する為、現在では多くの証券会社や投資顧問会社が優秀なファンドマネージャーを年間契約で雇い投資信託にもファンドマネージャーの名前が記載されるように変化しております。

その為、優秀なファンドマネージャーが販売するファンドは信託報酬がやや高額であっても人気商品となり多くの資金が集まる事になります。

ファンドマネージャーの年収はかなり高額というイメージが定着しているかもしれませんが、もちろん全てのファンドマネージャーが高額な年収を得ている訳ではありません。

これは成績を残せないファンドマネージャーには顧客がつかないため、十分な報酬を得られない可能性もあるためです。

ファンドマネージャーの収入は大きく分類すると、信託報酬と成果報酬の2つの報酬があります。

今まで投資経験がなかった方でも、例えば確定拠出年金に加入した場合は、幾つかの投資信託商品を組み込んだポートフォリオを構築した経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか？

この投資信託の目論見書やファンド概要書には、手数料として信託報酬のパーセンテージが記載されていたはずです。

証券会社などで販売されているファンドの報酬は概ね低い利率となっておりますが、ファンドマネージャー個人が運営する投資顧問会社などの場合は、信託報酬も高額であるのが通常です。

例えば信託報酬が敏腕ファンドマネージャーが運用する投資信託商品の信託報酬が3%である場合、資産残高が100億円となった場合は3億円の報酬となります。

その為、調査費用や、会社の運営費など各種経費を差し引いても2億円近い年収となるでしょう。

また、成果報酬による報酬形態である場合は、運用資産残高ではなく、運用利益のパーセンテージとして成果報酬を得ることになります。

仮に25%の成果報酬契約を行い10億円の運用益をあげた場合は2億5千万円の成果報酬が得られる計算です。

成果報酬を設定しているファンドマネージャーは、もし運用益がゼロであった場合でも信託報酬を得ているのが一般的であるため、調査費用や運営費用が大きくマイナスになる事はありません。

日本では個人のファンドマネージャーへ運用を託す風習自体が定着していないため、イメージが湧きにくい部分もありますが、投資会社が広く認識されているアメリカでは、桁違いの報酬を得ているファンドマネージャーが多く存在します。

2007年に続き、2010年も世界一の信託報酬を得たジョン・ポールソン氏の2010年度の年収は49億ドル(約4100億円)と破格の年収となり大きな話題を集めました。

この年、ジョン・ポールソン氏は金市場をターゲットとした極端なアクティブ運用に基づくポートフォリオを形成し大きな成功を手にしました。

個人のファンドマネージャーですから、あまり耳にしたことが無い名前が多いかもしれませんが、ファンドマネージャーの2012年度総資産ランキングを見てみると日本でも馴染み深いジョージ・ソロス氏が総資産200億ドルで1位を得ております。

また、同年世界最大の資産運用会社となったブリッジウォーターアソシエイツのレイモンド・ダリオ氏は総資産129億ドルで2位となっております。

参考までに少し古くはなりますが2012年度のヘッジファンドマネージャーの総資産ランキングTOP10を以下にまとめます。

ジョージ・ソロス氏の総資産200億ドルは簡易的に1ドル＝100円として日本円に換算すると2兆円の総資産となります。

ファンドマネージャーは毎年結果を残さなくては顧客から資金を集める事は困難です。

しかし、もし大きな成果を上げ続け顧客に大きな利益をもたらす実力があるならば、想像を超える年収を手にすることが可能な職であることは間違いないでしょう。